ストーリーとアイデアで攻略すれば、農業はゲームのように面白い!
「祖父から受け継いだ農業に対するイメージは
若い僕の中で確実に変化してきている。
ストーリーを考え、アイデアと試行錯誤で攻略して行けば、
農業ビジネスはゲームのように面白い!」
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高橋尚さん(奥州市藤里地区)
ゲストプロフィール
今回のいわて未来農業想像人は、奥州市藤里地区でキュウリ栽培をしておられる高橋尚さんです。
高橋尚さんは、2012年県立水沢工業高校機械科を卒業後、車の部品製造会社に就職。その後、長年祖父母が栽培しておられたキュウリのハウス栽培を引き継がれました。
今日はそのお祖父様から引き継がれたキュウリ栽培を、尚さんご自身の視点と考え方で改革に取り組んでこられた、今年6年目となる営農ストーリーを伺います。
尚さんのお住まいのある奥州市江刺藤里地域の特徴を教えてください
ここは昔から稲作を中心に野菜の栽培も盛んでしたが、現在は高齢化や過疎化も進んでいて心配なこともあります。
地形や環境を考えても、主な産業は農業ということになりますので、できれば今後若い就農者や移住者が増えて、ここの自然豊かな環境と生活人口を維持できることを望んでいます。
現在の生産品目と高橋家のご家族のお仕事をお聞かせください
キュウリのハウス栽培が7棟で18アール、冬はホウレンソウ。水田が3ヘクタールで、その内、金色の風が65アールでひとめぼれが245アールで、野菜も米もほぼ全量JA江刺へ出荷しています。
私は、代々続く農家の三男です。両親は会社勤めをしていて休日には手伝いをしてくれますし、祖母も時々手伝いをしてくれております。
次男の兄は私が収納した後に、私とは別にキュウリの栽培しております。
■尚さんご自身が就農されるまでの経緯をお伺いしたいんですが
はい、高校を卒業してすぐに自動車部品会社に5年半ほど勤務いたしました。
ただその頃から、いずれは農業をやりたいという気持ちがありましたし、祖父母がキュウリ栽培と稲作栽培をやっており、祖父は県の農業指導士として表彰も多くいただいてましたので、私の中では憧れでした。
その祖父が他界後に残した水田とハウスがもったいないとの思いから、就職し資金を貯めてキュウリ栽培を引き継ぐ形で就農しました。
就農直後から何か課題を感じて試行錯誤されていたということですが
そうですね、ハウスのキュウリは、通常2作2回転するのが一般的です。
1作目が春植えで7月まで、一旦片付けて苗の植え替えをして、8月から初冬まで収穫をするというのが主流でして、ただそれだと植替時の約1ヶ月半、収穫のできない時期があり、それではもったいないという思いがあり、うまく作を通じて休むことなく収穫できるように考えて2年目には、春に植えた苗で初冬まで採り続けるという栽培形態を収量調整しながら試してみました。
結果、その年はうまくいき、次年度も同じ作栽培形態で取り組んだわけですが、3年目は8月から病気が入ってその後収穫したものが出荷できず、ほとんどが廃棄に回るという悲しい状況になりました。
それでは経営の安定につながらないということで、4年目からハウスの棟数を倍に増やし、夏の植替時の約1カ月半という収穫ブランクの期間を無くすようにしました。
もちろん、施設を倍にするということは、資金面での不安というか悩みがありました。
そこで、資金の借り入れのためにJAさんに相談したところ、私に合った最適なプランを紹介してくださいまして、スムーズに資金の調達とハウスの増設が可能になりました。
その結果、収量・売り上げともに伸びて、今では安定した経営に至ることができました。
その方法ではハウスがみな半年空く状況になって、もったいのでは?と感じますが
やはりもったいないので、キュウリが終わった後はホウレンソウを蒔いて、うまくハウスが使えるように回しております。
それによって、キュウリを栽培していない冬期間も、ホウレンソウ栽培があるので、周年でハウスが稼働できて、私にもまたパートさんにとってもいい状態になったと思います。
■キュウリとホウレンソウ、さまざまな種類を育てるって難しくないですか。
やっぱり難しいですよね。それぞれ特徴があり栽培技術が違うので、それぞれの知識がないとうまくいかないので、今はホウレンソウ栽培にちょっと苦戦している状態ですね。
でもその「うまくいかないこと」が面白いところですが、けどこれがうまくいけばさらに面白くなると思うので、それを期待して頑張っていきます。
また、相乗効果も生まれいて、ハウスをうまく利用できるという点もですが、周年を通して仕事があることでパートさんも休むことなく仕事があるということになり、お互いが良い状態になれたと思います。
何かそう言った自分なりの工夫や試行錯誤は、会社勤めの時とは違う面白さというのも感じていて、自分のやり方や舵の取り方次第で流れは変わってくると思えます。
そこが面白さでもあり不安なところでもあるけど、一つ一つのミッションをクリアして達成感を得られた時はかなり嬉しくて、これは一般企業ではなかなか味わうことのできない醍醐味ではないでしょうかね。
そして、それが私にとってはモチベーションであり生きがいだと感じています。
今後の展開で考えていらっしゃることがあれば教えてください。
そうですね、経営の規模の拡大であったり、収量の増加であったりっていうのは勿論ですけど、江刺、特に私の住んでいる藤里地域の農業を守る、またそれによってこの自然豊かな景観を守っていかなければいけないという使命感はあります。
そのためには、どうしても私一人では無理なところがあるので、そうした時に私を見て就農する新たな仲間が増えればいいなと思いますし、それを見て更に仲間が増えて、地域の人口、そして藤里や江刺の農業がさらに発展できればいいなと考えてます。
実際に私が就農した後に私の兄も就農しまして、更にその友達も何人か就農してます。
そして、今後も収納する見込みのある方がちらほらとおられるのも確かです。
仲間が増えて、地域もどんどん盛り上がっていけば、益々楽しくなると思っています。
<今・回・の・お・ま・け>
「農業連盟青年部イタリア・イギリス研修の話」
「きゅうりの料理レシピと試食の話」 ぜひ最後までご覧ください。