農業はいつからでも始められる、働き方は自由で自分次第。

農ギャル・農業女子・ 農家の嫁など、さまざまな呼び方で活躍する女性たちが
一昔前の農業のイメージを変え始めている。
新しい視点で岩手の野菜の魅力を発信するJA新いわての野菜応援隊
「もんずらすかしぇーるず」の農業女子トーク!
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田村真理子さん(八幡平市)・ 櫻田沙羅さん(雫石町)

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ゲストプロフィール

さて、最近は「農ギャル」「農業女子」「 農家の嫁」などの呼び方で、農業で活躍する女性が話題になることも増えていますが、今回は野菜の魅力を発信している、JA新いわての野菜応援隊「もんずらすかしぇーるず」メンバー、小松菜生産者の田村真理子さんと菌床椎茸生産者の櫻田沙羅さんです。

「もんずらすかしぇーるず」はJA新いわて管内で生産される野菜の魅力のPRのために女性生産者で結成されたグループです。普段は農業をしていて、JA新いわてのイベントに参加したり、岩手のばえる農業をインスタグラムでお届けしたり、農業の楽しさと岩手の野菜の素晴らしさを伝えています。

【もんずらすかしぇーるず Instagramアカウント】
https://www.instagram.com/monzla_skasyells/

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「もんずらすかしぇーるず」ってどんな意味?

今日は、お揃いの帽子もかわいいトレーナーを着て来ていただきました。

背中にも腕にも「もんずらすかしぇーるず」。これは元は方言で「もんずら」→まるごと「すかしぇる」→伝える、そして応援の「エール」を組合わせて「もんずらすかしぇーるず」です。「岩手の野菜の魅力を全部まるごと伝えて、生産者も応援しますよ」っていう意味を込めてネーミングしました。メンバーは、入れ替わりで3人で活動していて、みんな野菜の生産者っていうのが私達の魅力です。

みなさんの本業は農家ということでいいんですよね?

(田村真理子さん)私は主にちぢみ小松菜のハウスで栽培で、春先はJAさんから委託されてピーマン苗を約15万本、夏はお米、冬は菌床椎茸。これはほぼJAさんへの出荷ですが、道の駅や小松菜は学校給食で八幡平市内で使われたりしています。

(櫻田沙羅さん)私の家は主に菌床椎茸で年中栽培、他に和牛繁殖と水稲栽培をしてます。水稲栽培は受託もしていて出荷先は、ほぼJAさんです。産直や飲食店への卸しやマルシェ出店もしています。

それぞれ、お二人の農業に携わられた経緯は

(田村真理子さん)我家は専業農家で父は6代目ですが今のやり方は父が始めました。
私はもともと農業に興味はあったんですが、姉が嫁に行ってしまったのでやらなきゃいけないのかなという気持ちもあって、会社勤めを辞めて実家に戻りました。それから家族と農業をやっていく中で楽しさとやりがいを感じて続いています。

(櫻田沙羅さん)私の生まれは秋田県で全く農業に関係ない家庭で育ち、農家の息子さんの主人と知り合い農業を始めることになりました。
最初は何も分からないことばかりで、全てが新鮮で大変っていうイメージで、実際そうだったんですがそれを上回るくらいの楽しさが勝って面白さを毎日感じてるうちに農業って素敵だなって思うようになりました。

本業の農業も大変な中でイベントPRの活動は大変じゃないですか?

(櫻田沙羅さん)でも、PR活動ってすごく大事だと思っていて「もんずら」としての活動は、すごくありがたい場だと思ってます。同じ農業の人そして消費者さんにも農業の魅力を伝える上で大事な場だと思って頑張っています。

(田村真理子さん)農業ってなかなか大変そうってイメージありますが、やってみれば自由にファッションもオシャレを楽しむことも、ネイルや髪型だって会社勤めではできないような格好もしながら農業できるのは気持ちの面でもやりがいがあるって思います。

農業は自由度が高い反面、天候や動植物が相手の大変さもありそうですね

(櫻田沙羅さん)常日頃から天候や生育に合わせての作業の大変さは毎日のようにあります。でも、その中でも楽しいと思えるのは子供たちと一緒に圃場に出てキラキラ輝く笑顔で遊んでいるのを見たり自分達も作業をしていて、景色を見て空気感を肌で感じて、リフレッシュしながら仕事ができて、大変なことだけじゃないなって感じられます。

真理子さんと沙羅さんの出会いと、もんずらからのスカウト

(櫻田沙羅さん)ある日、女性農業者の研修会っていうセミナーの案内があって それに申し込んだんです。その研修先、田村真理子さんの圃場にバスが到着したら立派なハウスがずらっと並んでいるところに綺麗なお姉さんがシャンとして立ってたんです。(笑)
「えっこの人が農家の真理子さん?」って、それが私、真理子さんと初めて知り合った日でその日はお話しすることはできなかったんですが、綺麗にお洒落されててお化粧も髪のセットも本当に綺麗にされていて「こんなに綺麗な人が農業をやってるんだ」って私、本当に衝撃を受けたんですよ。私も結婚して農業の道に入ったばかりで知らない土地で友達もいない孤独な状況だった時に真理子さんっていう農業者さんを知って心強かったんです。
こんなスタイルで農業ってできるんだっていう嬉しさも同時にあってそこからは真理子さんのファンでした。

(田村真理子さん)私も農業をやり始めて自分の身なりにすごく気を遣うようにしていて「農業ってこんなふうに綺麗にしてやれるんだよ」って色んな人が来た時に「え、農業やってるの?」みたいな格好でびっくりされることを期待して綺麗な格好したりしていたので沙羅ちゃんの反応はもう狙った通りみたいな感じになったんです。でも沙羅ちゃんも農家の研修に来る人の中で若くて細くて綺麗で沙羅ちゃんがすごいオーラを放ってるのが見えてその日はお話できなかったけど、名簿を見て雫石の沙羅ちゃんっていうことをチェックして「もんずら」もう一人って考えた時に、前からのメンバーみんなで沙羅ちゃんにお願いしようってことに、もう決まってた感じですね。

就農以前はお二人とも会社勤めだったんですよね?

(田村真理子さん)そうですね就農前はお花屋さんに勤めていました。
お花が好きで花屋に勤めていたんですけど花屋の仕事が今の農業に生きていると感じることがいっぱいあって、常にお客さんの求めてることはって考えながら接客するんですね。
花の売り方は?とか、陳列のし方は?とか考えることも多く、それって野菜を売るのにも通じてるなと。産直さんで売る時も食べ方とかをPOPに書いてあると安心して買ってくれるんです。花屋の経験が生きてると思います。
私は農業はいつ始めてもいいんじゃないかって思っていて、就農を考えていても卒業後一旦就職していろいろ経験するのもいいし、またすぐに就農しても、農協の青年部や4Hクラブとかでいろんな仲間ができて、一緒に活動する中にもさまざまな業種のプロがいて、例えば広告会社ならPOPを描くのが上手とか、営業なら売り先を探すのが得意だったり、IT関係なら事務系が得意とか…そういう仲間がいると、これはこの人に助けを求めればみたいな仲間のつながりもできます。
今どうしようかなって悩んでるなら一回社会に出て社会人としてのルールを覚えて、それから就農しても全然遅くないと思うので、ぜひ農業という職業も選択肢に入れつつ考えて貰えばいいのかなって思います。

さくらだファームさんは法人化されたんですよね。

(櫻田沙羅さん)2023年の5月に株式会社さくらだファームとして新しい一歩を踏み出しました。目的は会社にしたことで社会的な(就職先としても選択肢になる)信頼性を確立したいというのと、法人化は主人の夢をまず一つ叶えましたが、それがゴールではなくて、ここからが本当に私たち夫婦のスタートだなって。まず何よりも社員さんたちが安心して働けて愛せる職場づくりということと、自分たちも会社をしっかり守っていけるような体制づくり仕組みづくりを確立したいと思い法人化に踏み切りました。それは一般企業のようにカチっとした仕組みやルールを徐々に作ることにはなるんですが、個人事業主の時と変わらずに、自然を肌で感じ、子供たちとワイワイ楽しく圃場に出て社員さんたちとも和みながら一緒に休憩をして楽しく作業するという農業ならではの環境は変えずに社会的に自立した経営をしたいと思っています。

真理子さんもパートの方と一緒に働く上で気を遣っている事などありますか?

(田村真理子さん)私は経験から雇われる身の気持ちがわかるんですが、例えば父は自分が立上げた仕事で雇われたことがなく、時々家族にえっ⁈て思うようなことも言います。でも経営者としてやるべきことはやらなきゃって強い思いもあります。一方雇われる側は「もうちょっと丸~く、もう少しゆるい?空気がいいよね」的な感じはあるので、両方の経験も大切で、来てくれるパートさんには働きやすく楽しい環境を提供したいと思います。

これから農業に携わってみたいという方へメッセージをお願いします

(田村真理子さん)実は農業って女の人の方が能力が発揮できる場が結構あると思うんです。何かを育てるってことは子育てにも通じていて女性的な心遣い、気配り、女性の視点も農業をやっていく中で、特にこれからは女性の支えや力がより大事になると思います。
ぜひ、これから農業をやってみたいって思う方は受け入れしてる農家に体験に行くとか、何かを育ててみるとか、何かしら農業に触れて、魅力を感じてもらえたらいいなと思います。

(櫻田沙羅さん)今、農業人口は減ってきていると思うんです。
若い就農者もますます減ってきている中で農業の道へ進む若い人は貴重だと感じています。先代からの土地や施設が多く余っていてもったいないとも感じています。
田んぼどうしが近くにあるのにお互いが遠い圃場に行かなければといった問題もあったり。それなら地域を集約化し助け合いで作業ができたらと思ったりする中に参入のチャンスってあると思うんです。だから農業をやってみたと思う人はぜひJAさんが窓口になってくれると思いますので気軽に相談してみるのもいいかなと思います。

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